第1話【前編】「夏の始まり」

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それから朝倉家に帰宅した愛理は晩ご飯のしたくをしている。 人参や玉葱、じゃが芋、肉などをこさえ鍋に入れる。そして、カレー粉を入れて煮えるのを待てば出来上がり。 しばらくすると香ばしい匂いを放ちカレーが完成した。 匂いを嗅ぎつけたのか、ジャージ姿のだらしのない感じの格好の女の子が居間に入ってきた。居間に入ってきたのは愛理の姉、と言っても同じ14歳である由夢が入ってきたのだ。 「今日はカレーなんだね、もう、お腹ぺこぺこだよ」 と、由夢は愛理に言った。 「ふにゅ、みんな揃ったら食べるです」 と愛理は由夢に言った。 「そういえば兄さん、今日晩ご飯食べにくるんでしょ?」 「うん、音姉さんの手伝いがおわって一緒に来るみたいですよ」 などと話していると時間は立ち、玄関のドアが開く。 「ただいま~」 女の子の穏やかな声が玄関から聞こえた。 音姫の声だ。 さらに、その声の次に男性の声が聞こえたのだ。 「お邪魔します。」 その声は由夢も愛理も聞き間違えるわけがない。 そう、幼いころから、共に家族同然に育った義之の声だ。 「あ、愛理ちゃん、彼氏さんがきてるのに出迎えてあげなきゃ。」 と、由夢が愛理の背中をそっと押して言った。 「ふにゅ///い、行ってくるです…///」 なぜかカチコチになりながら出迎えにいく愛理。 義之をご飯に呼ぶのは初めてではない。しかし、義之と愛理が付き合うようになってからははじめてたのだ。 「音姉さん義之兄さん……お帰りです…///」 愛理は言った。 「うん、ただいま、愛理ちゃん、お姉ちゃん先にいってまってるからね。弟くん、ちゃんとエスコートされるんだよ」
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