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それから朝倉家に帰宅した愛理は晩ご飯のしたくをしている。
人参や玉葱、じゃが芋、肉などをこさえ鍋に入れる。そして、カレー粉を入れて煮えるのを待てば出来上がり。
しばらくすると香ばしい匂いを放ちカレーが完成した。
匂いを嗅ぎつけたのか、ジャージ姿のだらしのない感じの格好の女の子が居間に入ってきた。居間に入ってきたのは愛理の姉、と言っても同じ14歳である由夢が入ってきたのだ。
「今日はカレーなんだね、もう、お腹ぺこぺこだよ」
と、由夢は愛理に言った。
「ふにゅ、みんな揃ったら食べるです」
と愛理は由夢に言った。
「そういえば兄さん、今日晩ご飯食べにくるんでしょ?」
「うん、音姉さんの手伝いがおわって一緒に来るみたいですよ」
などと話していると時間は立ち、玄関のドアが開く。
「ただいま~」
女の子の穏やかな声が玄関から聞こえた。
音姫の声だ。
さらに、その声の次に男性の声が聞こえたのだ。
「お邪魔します。」
その声は由夢も愛理も聞き間違えるわけがない。
そう、幼いころから、共に家族同然に育った義之の声だ。
「あ、愛理ちゃん、彼氏さんがきてるのに出迎えてあげなきゃ。」
と、由夢が愛理の背中をそっと押して言った。
「ふにゅ///い、行ってくるです…///」
なぜかカチコチになりながら出迎えにいく愛理。
義之をご飯に呼ぶのは初めてではない。しかし、義之と愛理が付き合うようになってからははじめてたのだ。
「音姉さん義之兄さん……お帰りです…///」
愛理は言った。
「うん、ただいま、愛理ちゃん、お姉ちゃん先にいってまってるからね。弟くん、ちゃんとエスコートされるんだよ」
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