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駐輪場付近
章は停めてある自分の自転車に座りながらデッキを眺めていた。
「なんか怪しいな・・これ」
デッキをしまい校舎を見る。すると赤い龍が校舎の窓ガラスを舞っているのが見えた。
「えっ何今の?」
しかし、龍は窓に映っただけで現実世界にはいない。どうもおかしい。
(気のせいかな・・・疲れているのか?)
「おーい」
章の横から彼を呼ぶ声が聞こえる。
章が振り返ると女友達の井崎優美(いざきゆみ)がいた。
「優美ちゃん」
章は手を振る。
優美は章の持っているカードデッキに気付く。
「章君・・・それ・・・」
「ああ、教室に落ちていたんだ。誰かの落し物かもしれないから明日先生に届けようと思ってさ」
優美はカードデッキを見るなり、険しい目をする。
「どうしたんだ?」
章が尋ねる
「えっ、ああ、なんか気になっちゃってさ・・・」
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