29人が本棚に入れています
本棚に追加
「―――流鬼!」
はっ、と我に返る。
京さんが必死の形相で俺の肩を掴んで呼んでいた。
気付けば、すごい息が苦しくて、汗がいきなり額を支配してて、なんだろう、すごく怖かった。
「大丈夫か!?」
京さんが、びっくりした顔で俺に問いかける。
俺はそんな京さんの顔より、記憶に似た金髪頭をまじまじと見つめた。
「京さん…俺とチャーハン作ったり、した?」
意味も分からずそんな言葉を吐くと、京さんの目がぎょっと見開かれた。
「…作ったよ。流鬼、僕とチャーハン作ってたよ。僕の部屋で、二人で食うたよ」
端から聞けば不思議な会話だが、俺はそれを聞いて確信にも似た感情に支配された。
最初のコメントを投稿しよう!