公園

10/11
前へ
/30ページ
次へ
「―――流鬼!」 はっ、と我に返る。 京さんが必死の形相で俺の肩を掴んで呼んでいた。 気付けば、すごい息が苦しくて、汗がいきなり額を支配してて、なんだろう、すごく怖かった。 「大丈夫か!?」 京さんが、びっくりした顔で俺に問いかける。 俺はそんな京さんの顔より、記憶に似た金髪頭をまじまじと見つめた。 「京さん…俺とチャーハン作ったり、した?」 意味も分からずそんな言葉を吐くと、京さんの目がぎょっと見開かれた。 「…作ったよ。流鬼、僕とチャーハン作ってたよ。僕の部屋で、二人で食うたよ」 端から聞けば不思議な会話だが、俺はそれを聞いて確信にも似た感情に支配された。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加