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「澪…そういえば今度の日曜ヒマ?」
急に真顔になった春菜を見て何やら相談事か?などと考えていた自転車部マネージャーは少しばかり渋りながら返答してみた……
「……う~ん…その日は練習あるけど……午前中だけだから午後からだったら……」「…じゃあ、OKってことでっ!」
まだはっきり返答していないところで話しを遮り、強引に誘い込む春菜。
「どうしたの急に?日曜はいつも病院じゃん」
その何でもない澪のセリフに春菜は自分の包帯が巻かれた足を眺めながら妙に反応していた。表情を曇らせるほどに…。
のぞき込んでみる澪の気配を察するとすぐに明るい表情に切り替え…「次のは大丈夫っ!先生が二週後でいいからって言ってたの。経過観察ってやつ…」などと言ってみてごまかした。
「…経過観察ねぇ~……ただのサボりだったら承知しないよ」
大丈夫っ、大丈夫。
人が同じ言葉を二度繰り返す時は何かしらの“含み”があることが大概だ。
無論、中一からの付き合いでその心内を承知していた澪は、そのことを分かっていながらもあまり深く考えないようにした。
「で、日曜は何時集合?」
澪がそう言うと、うれしそうな表情の春菜は集合時間と場所を伝えた。
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