ゆうひ

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「死んだのは確かにあなたです。でもそれは先ほどまでのあなたなんですよ」 一息ついてから医者は続ける。 「私が考えた治療法です。実際あなたは健康診断ではなんの問題もありませんし」 「しかし、この診察室にあなたが入ってきたとき、心の病におかされていることを悟りました」 確かに…… 「うつ、というのはご存知ですよね?」 「あぁ…知っているが俺がうつ…だったのか?」 「いいえ。違います。でも、あなたはうつの手前の段階でした。」 医者は先ほどのことを思い返すように、宙を見ながら話す。
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