片岡家

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肩の力が抜ける。 今日は下りの電車だから普段の満員の通勤電車にのらなくてすむ。 とは言ってももう夕方近くだから座れるかどうかはあやしいものだが。 「それにな……」 家に人がいないと、逆に落ち着く。普段そんな時間はなかなかとれないからだ。 親子三人暮らしはうまくいっていた。と思っていただけだと、だんだんと気がつくことになるが。 年頃の娘は自分がいうのもなんだが外見が妻に似て、良い意味で目を引く方だ。 そのせいで周りにはぷんぷん色んな男が寄ってくる。 まぁ若いんだからと言われてはなにも返しようもないが、娘も娘で彼氏でもない男の部屋に平気で一人であがることもあった。
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