第 壱 話

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たまに手を合わせに来る友達や親族がいるが、言葉を交わすことも手を触れることすらも出来ない。 どうにもこうにも手詰まり。 たまに私の姿が見えるのか、目が合う人がいるが、気づかない振りをして立ち去っていく。 まぁそうだよね。関わりたくはないよね。 なんたって今の私は、あからさまに事故で死にましたーってわかるくらい血塗れの幽霊だもの。 両手両足がついているのが不思議なくらい、壮絶な見た目。 私が生前に見えたとしたら走って逃げたいくらい。
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