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森博嗣のS&Mシリーズの第五弾「封印再度」。タイトルからひねっていて、WHO IN SIDEとかけているんですよね。
森博嗣の茶目っ気たっぷりの読み手をわくわくさせるミステリに仕上がってまして、ある屋敷に家宝と云われている「無我の匣」というのがあって、これを開けるには当然鍵が必要で、その鍵は「天地の瓢」の中に入っているのです。しかし「天地の瓢」を開けようにも口元部分は狭くて開けることが出来ない。
さあ困った!
というなぞなぞなんですが、トリックも面白いですし、読みやすいですし、けれどもやはりこのシリーズのもう一つの楽しみと云えば、森ファンならば犀川創平と西之園萌絵の、助教授と生徒の恋愛模様ですね。
犀川助教授が探偵役として色んな密室の謎を解き明かしていくのですが、同時にシリーズが続くにつれて二人の間の距離も近づいてくるというサイドストーリーといったら語弊があるかな。
兎に角、封印再度で犀川助教授は決断し、萌絵に……まあ、本編と関係ないのだから話してもいいかなと思ったりするのですが、やはりここは心を鬼にして口を噤むとしましょう。
この話は前にも述べた通り、「無我の匣」と「天地の瓢」があって、「無我の匣」を開けるには「天地の瓢」の中にある鍵をとらなければならないという話で、更に殺人事件が起きてしまうというのですから、大変です。
この人はかなりの速筆として知られてまして、次々に書き上げますのでこのS&Mシリーズだけで十シリーズぐらいあるのかな? 短編集も入れると十シリーズ以上になります。
いきなり封印再度を読んでも楽しめますが、やはり森博嗣のデビュー作「すべてがFになる」から読んだ方がスムーズに世界には入り込めるかと思います。
文庫版とノベルスと両方ありますが、私は文庫の方のイラストがあまり好きではないのでノベルスの方をもっています。下の表紙は文庫版です。
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