📖美濃牛

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殊能将之の第二弾、「美濃牛」です。 舞台は岐阜県で、その田舎町に奇跡の泉と呼ばれる場所があるとのことで調べに行くのですが、どうにも泉に入るには鉄線を越えて入らないといけないらしく、持ち主に入ってもいいか? と許可をもらおうとするが、敢え無くもらえず。 その奇跡の泉の水を飲んだり浴びたりすれば病が治るというから大変です。色んな人らがやって来て、しまいには集団生活をしてまうようになるほど人が集まり、村の人々はそれを気味悪く思い嫌な空気が流れてしまい。 同時に村のリゾート開発計画が持ち上がり、石動戯作という妙な男が説得にあたるのですが……。 そこへ首を切断された死体が発見され、台風がやってきて村はてんやわんや。台風が止み捜査を開始するが、再び殺人事件が起こってしまい、一騒動。 これは二時間ドラマにしたら絶対に面白いと思いました。ただタイトルが「美濃牛」ですのでなかなか若い女性を引きつけることは難しいかも知れませんけれど。しかしまあ、中年を引きつけるには十分でしょう。 トリック云々はさほど衝撃を受けることはないのですが、読んでいるうちに心は岐阜県にいるような感覚にすーっとのめり込めます。 そして章ごとに引用された言葉が並べてあるのですが、それが全て牛に関わることばかりなので驚きました。よく見つけてきたなと。 ただページ数が多く、しかも二段になっていますのであまり本を読んだことのない方は少々きついかも知れません。image=384241666.jpg
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