小休止

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「我ながら、棒読みになってしまった様な気がしてる訳なんだが……信じてくれたのか?」  何と無く不安になり、俺はリズの顔色を窺いながら訊いた。 「……はい!」  ウワァ良イ笑顔ダナァ……。  幼い子が浮かべる様な、混じりっ気の無い純粋な笑顔。  雰囲気は、高熱を出して寝込んでいた時に近い。  その上位互換と言った所だろうか。 「これからは、ユウキ殿の事を信じます。……信じ続けます!」  両手を胸の前でグッと握り、「私、頑張ります」と言った感じ。  ……妙なスイッチが入ってやがる! 「リズ、少し落ち着け。俺はきっと、これからも嘘を吐くに違い無───」 「それでも信じます!」 「───……」  嘘……、滅多な事では吐けなくなった。 「思えばユウキ殿は、こちらが真剣に質問した時に嘘を吐いた事、または嘘をそのままにした事はありません」  いや、必要な所では事実を語るさ。 「にも関わらず、私は些細な嘘を気にするあまり、ユウキ殿を信じていませんでした」  それは仕方が無いだろう。  正常な判断だと思うぞ。 「それは間違いだったのだと、私は今に至って気付いたのです」 「思い込んだら止まらないな!?」  俺がそう言っても、リズの碧眼は全く濁りを見せない。 「良いから考え直せ! 俺は全幅の信頼を寄せて良い様な人間では、無いんだよ!」  誠意には誠意を以て応える所存ではある。  しかしだからと言って、リズが俺に向けようとしている巨大な誠意に、果たして俺が応えられるのか。 「もう迷わないと決めましたから」  ウワァ良イ笑顔ダナァ……パート2。 「あれだけの事がありながら、それでもユウキ殿はここに居てくれる。迷う必要など、無かったのですよ」  眩し過ぎる……。  リズの笑顔が眩し過ぎる!  根が卑屈な俺には、あまりにも……ッ!
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