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結構本気で危機感を覚えた俺はリーズロットさんとの会話を切り上げて、ひとまず「手回し」をしておく事にした。
その中の一つが、アルヴァへの指示。
内容は至ってシンプルで、直接的。
「シオン=バスティアを警戒し、リーズロット=キャヴェンディッシュの安全を確保する様に」。
具体的な方法については特に指定せず、アルヴァのやり方に任せる事にした。
その時にリーズロットさんと何の話をしたのか聞こうとしたんだけど、無理だった。
「申し訳ございません。お話し出来ません」だとさ。
……まあ、アルヴァの事だし。
下手に詮索したところで、何も変なモノは出てこないだろ。
忠誠心が服着て歩いてるみたいな人間だし。
はー、やれやれ。
それにしても面倒だ。
俺の父上殿はどうしてあの「白蛇」を迎え入れたのやら。
あんなの、危険因子以外の何者でも無いってのにさ。
己の知識欲を最優先する、御し難い人種。
何の志も無い、欲に生きるのみの獣。
……俺も、あんまり人の事は言えないかな。
さて、切り換えて仕事しますか。
やるべき事は、山ほどある。
人質の安全確保は万全じゃないし、サザランドへの対策もそろそろ本格的に始動させなきゃいけないし。
それに、宗助の事も少し。
俺がもう一人居てくれたら───、いや、それは良いや。
うん、要らないな。
俺みたいな奴が、そう何人も居てたまるか。
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