青い炎の魔法使い

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「まあまあ、キャヴェンディッシュ中尉。話がサクサク進んで良いじゃないですか」 「カラムの言う通りですよ、キャヴェンディッシュ中尉。任務に忠実であろうとしている貴女が話を止めるなど、それこそ可笑しな事です」  さっきから本当に何なのだ、この二人は。  十年来の友人か?  幼馴染みか?  親友か?  波長が合い過ぎだろう。  そして私は反論出来ない。 「で、話の方針がまとまったので完全に普段の調子に戻りますね。堅っ苦しい言葉遣いって苦手なんで。宗助さんも、馬鹿丁寧な言葉じゃキツいでしょう?」  話を進められ、好き勝手にされ始めた。 「カラムに対しては、さっきから敬語を使って無かったけどな」  ユウキ殿だけは、それに合わせているし。 「まあそうですけど、キャヴェンディッシュ中尉にも敬語使わなくて良いんじゃないですか?」 「それは確かに構いませんが……。呼び方も『リズ』で結構です」  そろそろ会話に参加しなければ、完全に取り残される。  そう思った私は、それとなく入った。 「さてと。宗助さんの話を信じるかどうかはとりあえず保留にして、監視役を決めちゃいましょう。キャヴェンディッシュ中将、お願いします」 「待て。その前に一つ、確認したい」  マクダネル少尉に話を振られた父上が、それを止めた。 「何ですか?」 「お前達二人は、既に結城殿と親しいのか?」  父上は何か難しい顔をしている。  ……「お前達」?  と言うと私も? 「え、別に親しいって程じゃ無いですけど」 「私も特には。警戒心を抱かない程度です」  知り合い以上、友人未満。  そんな所か。  命の恩人である事は、忘れていない。 「とてもそうは見えなかったが。……特にマクダネル」 「波長は合ってますね」 「確かに」  互いにそれを認めているのなら、ユウキ殿の監視役はマクダネル少尉で決定して良いのではないだろうか。
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