青い炎の魔法使い

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「ところで俺から意見を一つ」  先程からずっと話を進めているマクダネル少尉が、またしても発言。 「監視役はキャヴェンディッシュ中尉の方が適任だと思います」  それは一体、どの辺りが? 「私より、貴方の方が適任である様に見受けられましたが。波長が合うと、貴方自身が言ったのですから」  更にはユウキ殿も肯定した事だ。 「そりゃそうなんですけど、だからこそと言いますか」 「……?」  意味が良く分からない。 「いや、俺って偵察任務を良く任されるじゃないですか。だから、何かを観察するのには慣れてて」  それなら尚の事、適任なのでは。 「けど、その時に先入観を持ってると、どうしても細かい事を見落としがちになるんですよ。分かりますよね?」 「……そうですね」  やはり、頭の回転ではマクダネル少尉に勝てない様だ。 「波長が合うって事は、つまりそれだけ先入観を持ち易いって事で。なので俺よりキャヴェンディッシュ中尉の方が、監視役として適任なのかなと」 「成る程」  結局、納得させられてしまった。 「ま、決めるのは俺達じゃ無くてキャヴェンディッシュ中将なんですけど」  ここでマクダネル少尉の視線が、私から父上に移る。 「……リーズロット、結城殿の監視役はお前に任せる」  僅かに躊躇う素振りを見せた後、父上はそう言った。 「了解しました」  監視すると言っても、ユウキ殿が妙な事をするとはあまり思わないけれど。  ……いけない、これが先入観か。  早く捨てよう。 「そう言う訳ですので、ユウキ殿。これから暫(しばら)くは私の監視下に居て頂きます」  気持ちを切り換え、ユウキ殿と正面から向き合う。 「期間は?」 「あ、そうですね。ええと───」 「一ヶ月間何も無ければ、監視を解く」 「───だそうです」  父上が直接答えてくださった。 「一ヶ月間、リズがフィリスに来るのか?」 「……考えていませんでした」  現実的に考えて、それは無理だ。  他の業務に差し支える。  むしろ、他の業務が出来ない。 「……仕方無いか」  ユウキ殿が、また何かを諦めたらしい。
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