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「遅刻者はクビよ、若菜。・・・私の会社では。」 冴子の嘲りに、若菜は隠すことなく舌打ちをした。 「チッ…。だって、渋滞してたんですもの!彼が送ってくださらなければ、お夕食会に出られないところでしたわっ!」 若菜は不満を漏らしながら自らの席に座る。 「ほう。彼と一緒だったのかい?彼はどうしたのだね?」 硫兵衛の問いに若菜は、先ほど自分が入ってきた入口に目を向けた。 全員がそちらを見遣ると、ドアがガチャリとあいた。 「申し訳ございません、硫兵衛様。」 ジョーカーは軽く頭を下げた。 「構わんよ。大変だったみたいだね、ジョーカ。」 ジョーカも席に着くと、ため息を吐いた。 「えぇ。あれは、『マグマ』のメモリですよね?誰が売ったんですか?」 ジョーカは水を飲みながら疑問をぶつけた。 「そういえば最近、非常に販売成績の良い若者がいると聞いたのだが?」 硫兵衛は、ジョーカの問いには答えていないが、ジョーカはその言葉を聞いて思い当たる人物でもいたのだろうか?あぁ・・・と相槌を打ち、冴子に目を向けた。 「お父様。」 「なんだね?冴子。」 「私」 『タブー』! ガイアウィスパーが静かに響く 「結婚したい相手が見つかりましたの。」 冴子の立っていた所には、鮮紅のタブードーパントが佇んでいた。
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