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通過
見えない形を求めて、君がとても醜くなった。
「自分の気持ちを与えた人から、気持ちを与えてもらえない」
そう言い放つ姿はかつて、僕が恋した君ではなかった。
だけど、いつも君の幼い部分は愛情を求めていたんだね。
結果がこれで、気付かなかった僕は無惨に一人。
全ての自分を認め、全ての気持ちを見つめること。
それを出来る人を探して、君は僕を通過した。
いつか、君の求めた人になれたら…
なんて考えて、空を見つめてた。
そう、君とよく見つめていた茜空。
届かないと解ってても、雲を掴もうともがきながら。
君を想った。
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