第四章 ハルボードの実態

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 だが、あまりに図星だったからか、今の俺は彼女の物言いに苛立ちを募らせてしまう。 「お前な……」  自分で何を言うか決めかねて、しかし落ち着こうと言い聞かせながら口を開いた。 「いい加減にしろよ」  それでも、俺の声は自分でも信じられないくらいドスが効いていた。  その声にスノウが僅かにたじろいだことを感じながらも、俺は止まらない。 「確かに俺とお前じゃ、意識に『違い』はあったかもしれない。考え方にズレがあったかもしれない。でも俺は自分の役割を考えて行動してきただけだ」  言われ放題は癪に障る。 『本当にメリルを助ける気があるのか?』  この言葉のお返しくらい言わせろ。 「知識のない俺が足を引っ張るよりも、計画が早く進むように一歩引いていただけだ。伝染病の噂だって、確証もないことをわざわざ言ってみんなの不安を煽りたくなかっただけだ」  スノウが正しい。俺は心のどこかで分かってはいた。  でも、 「助ける気がないなんて言わせるか!!」  気付けば、大声になっていた。  スノウは再びびくりと身を竦ませた。  俺は息を大きく吸って整える。昂ってしまった気持ちも、一緒に治めた。
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