第四章 ハルボードの実態

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 ――よし、落ち着いた。  スノウは、今までとはうって変わって言い返してこない。  驚愕と、僅かだが怯えの色を感じた。  少し、言い過ぎたか……? 「――で、でも、お前の言うことも、もっともだ。これからは意識を改める」  スノウの言い方にこそイラッときたが、確かに今のやり方はいけない、それは分かった。  それに我を通したところで確執が生まれるだけだ。 「…………っ? そ、そうか」  俺の一転した態度を見て、戸惑いを露にしながら頷いた。 「うむ、ならばこれからは――」 「でもな、そんなに怒ることなかっただろ。俺はそこまで言われなくても、お前の言いたいことくらい分かるつもりだ」 「…………っ!」  なにやら調子を切り替えようとしていたスノウに割り込む形になってしまった。  しかし、これは言っておきたかった。  言いたいことは分かる、だが言い方がある。 「……ほう、そうかそうか。そんなに怒ることはないか」  ん? なんか、また機嫌が……。  スノウはゆっくりとした手つきでナプキンを取り、口元を拭う。 「お主の言葉、今確かに聞いたぞ! 言ったことは守ってもらう」  なんだ、また喧嘩腰だぞ。どうしたんだ? 「ん、まあ俺は約束を守るからな、もちろん、言ったことは曲げない」  再びの激昂を、俺はとりあえず流す。せっかく今収まりかけていたんだから。 「そうか、その決意は本物なのだな。ならば――」 「私はその時まで、『貴様』とは口を利かぬ」  ――は?
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