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「お、おいおい、一体どうやったらそうなる!?」
俺は持っていたナイフを取り落とし、思わず身を乗り出した。
「貴様は『意識を改める』と言ったな?」
「う、ああ。そ、それがどうした?」
スノウの言いたいことが分からなくて、俺はつい彼女の言葉を聞こうとする。
「質問はこちらからする。――で? その改める意識とは、具体的に何を指す?」
取り付く島もない状態だ。
正直なんで怒っているのかも分からない以上、一応彼女の言い分をまず聞いておこう。
「だからそれは、仲間意識だろ?」
噂話を黙っていたことも、計画の立案に参加してなかったことも、つまりはそういうことだ。
お互いが対等な関係で、同じ目的と意識を共有しなければならない。
そういう話のはずだ。
「そうだ。今の貴様は私の後ろに付いてくるだけの、ただの旅の『供』。従者だ。ならば意識改革が確認できるまでは、対等な『仲間』などではない、ということだ」
「いくらなんでもそれは暴論だろ!」
食って掛かるが、しかしスノウは
「どこに問題がある?」
とさらりと流し、
「貴様は意識を改めると言った。それはつまり、改めるだけの未熟があると自ら認めたということだ。そして私は、意識の足りぬ者を仲間と認める気はない」
きっぱりと言い放った。言い放ちやがった。
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