第四章 ハルボードの実態

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「お、おいおい、一体どうやったらそうなる!?」  俺は持っていたナイフを取り落とし、思わず身を乗り出した。 「貴様は『意識を改める』と言ったな?」 「う、ああ。そ、それがどうした?」  スノウの言いたいことが分からなくて、俺はつい彼女の言葉を聞こうとする。 「質問はこちらからする。――で? その改める意識とは、具体的に何を指す?」  取り付く島もない状態だ。  正直なんで怒っているのかも分からない以上、一応彼女の言い分をまず聞いておこう。 「だからそれは、仲間意識だろ?」  噂話を黙っていたことも、計画の立案に参加してなかったことも、つまりはそういうことだ。  お互いが対等な関係で、同じ目的と意識を共有しなければならない。  そういう話のはずだ。 「そうだ。今の貴様は私の後ろに付いてくるだけの、ただの旅の『供』。従者だ。ならば意識改革が確認できるまでは、対等な『仲間』などではない、ということだ」 「いくらなんでもそれは暴論だろ!」  食って掛かるが、しかしスノウは 「どこに問題がある?」  とさらりと流し、 「貴様は意識を改めると言った。それはつまり、改めるだけの未熟があると自ら認めたということだ。そして私は、意識の足りぬ者を仲間と認める気はない」  きっぱりと言い放った。言い放ちやがった。
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