第四章 ハルボードの実態

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「それ、本気で言ってるのか」  俺は自分の中の怒りがまた鎌首を持ち上げ始めるのを感じながら、極力表に出さずに聞いた。 「意識を改めるのだろう? その言は曲げぬのだろう? 言ったことは守るのだろう? ならばどこに問題があると言うのだ?」  矢継ぎ早の問い。いや、問いの形を取っただけの結論だった。 「勿論、一応は旅の連れだ。必要な――計画のことくらいならば話もしよう。だがそれ以外で私に話しかけることは許さぬ」  有無を言わせぬ口調。  これは、流石に堪りかねる。 「スノウ、お前……」 「黙れ」  俺の言葉は怒気を孕んだ声に遮られる。 「今の貴様に名を呼ばれる筋合いはない」  スノウは蔑みの篭もった目でこちらをちらりと見、すぐにそっぽを向いた。 「…………」  本気だ。 「…………分かった、いや、分かりました、王女様……っ」  頭にガンガン血が上っているのが自分で分かる。  歯を食いしばって、どうにか気持ちを留める。  ここで言い返しても意味はない。今の俺は平に徹して、行動で証明するしか。  有言実行だ。ちくしょうめ。 「ふん、ならばもう口を開くな」  そう言ってスノ……王女様は見向きもせずに言う。
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