ある日

2/7
前へ
/9ページ
次へ
ある日、僕は母さんに嫌われました。 僕が嫌われたのか、はたまた母さんが狂ってしまったのか。 わからないけれど、そう解釈することで僕は自分自身を納得させました。 毎日のように母さんは僕の部屋にやってきます。 そして、朝から晩まで泣きわめいては部屋を荒らし、母さんを宥めにやってきた父さんに連れられて部屋を出ていきます。 僕はただただ部屋の隅で身体を丸めて座り込み、ただただ母さんを眺めています。 不思議と辛さは微塵も感じません。 ああ、嫌われてしまったんだ--。 きっと、この間の晩御飯に僕が文句をつけたからでしょう。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加