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そしてある日、僕は思い出しました。
その日もいつものように母さんが部屋を荒らしていました。
僕が昔、図工の時間に粘土で作った恐竜も壊れてしまいました。
母さんは床に広がったカーテンだった布きれを引き裂いてなにか泣き叫びました。
そして、手近にあった小さいインテリアテーブルを掴んで僕に向けて投げました。
ああ、危ないな--。
そう思い、今後訪れるであろう痛みに対して歯を食いしばりました。
ところが、当たったはずのそれがまるで何もなかったかのように僕の傍らに転がっているだけで、痛みはこれっぽちも感じませんでした。
僕は思い出しました。
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