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黒い地デジテレビ一台にロフトベッド二台、兄からのお下がりのインターネットに繋げないパソコン、二つの大きめ本棚にその上を彩る著作権に煩いと評判とそうでないののぬいぐるみ。
よくある木の勉強机が一台あるものだから、あまり広くない部屋の中が狭くなる。
そんな長時間くつろげる部屋で簡単に片付けられるテーブルを前に、白い座椅子に腰を据えてマイクロピース千のジグソーパズルを黙々とやっている、寝間着姿で顔が隠れるくらい伸びた黒髪セミロングの見た目平凡な少女。
名前は若宮真琴。年齢は十六だが、身長のせいで制服を着ていないときは年齢どおりに見られたためしがない。
「……将来とか考えたくないし……リアル充実してる奴、羨ましす……」
そんな真琴の心からのぼやきに突っ込んだのは、たまたま部屋と廊下を繋ぐ扉から入ってきてぼやきを耳にした真琴と同じく寝間着姿で寝癖のついた黒髪ショートの性別不詳な顔立ちの人物だった。
「真琴、ジグソーパズルしながらそんなこと言わないでよ。ってか、いつからやってたの?」
「よくぞ聞いてくれた、悠ちゃんや!! かれこれ完徹だ、まいったなこりゃ」
にゃははと独特な笑い声を立てる真琴に向かって、悠ちゃんと呼ばれた人物は寝癖で酷い頭を軽く撫でながら肩を竦める。
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