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「(目に痛い蛍光色……あ、黄緑から紫に変わった。意外と面白いな、あのカプセル)」
鎖を乱暴に引っ張られ、部屋の片隅に設置されている金属の扉に入れられながら、真琴はのんびりと思う。
扉を閉められ、鉄格子付きではあるが窓はあるので明るさは確保されたことに少しホッとしてから、扉の向こう側から聞こえてくる研究員の会話に耳を澄ます。
「まずは魔力を計るぞ」
「研究員二、そこにある測定器取ってくれ」
「ねぇ研究員六、これ前に使ったのいつだっけ? なんか埃がかなり被ってるんだけど」
「……半年は使ってないような気がする。ちゃんと作動するかな……?」
「おい二人とも、あの少女のシリアルナンバーどうする?」
「研究員一、シリアルナンバーは面倒だからあんたに任せる。ってかシリアルナンバーより、面倒だから名前にしない?」
「研究員二はちゃっかりしてるよな、マッドでカマだけど」
どうやら研究員一と六が普通の男のようで、研究員二が女みたいな喋り方だが、声の低さからして男のようだ。
オカマか、と真琴は首を傾げる。
「……ネーミングセンスを俺にくれ、研究員二」
「やぁね、そんなの自分でなんとかしなさいな」
「くねっとしなくていいから、テスト作動を始めるぞ」
「ほら、研究員一の出番よ。測定が終わったら報告なんだから、てきぱきやってちょうだい」
それからしばらくお待ちくださいというテロップが暇を持て余す真琴の目の前を通りすぎていった。
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