巻き込まれ系は、不幸に見舞われるか生み出すかをよくします。

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「あの三人は例外だよ。無知な私に知識をくれた、優しい研究員。他はクソだったけどね。私に行われたのは、大まかに魔力付与と能力付与だね。実験はほぼ失敗。魔力はないし、能力もない。あるのは三人が教えてくれた魔方陣のほんの少しの知識だけ……あとは傷と苦痛だよ」 ついでに丈夫な腹と毒の耐性、と答えれば唖然とされた。 『腹の丈夫はわかるが毒の耐性って……嬢ちゃんどんな生活してたんだよ』 「生活って……別に毒の混入された残飯を渡されたりしたね。実験失敗ばかりを舞い込むから要らなかったっぽい。三人はそんなことしないで、むしろ毒にやられた私を介抱してくれたね」 ありがたいありがたいと頷く真琴にオモチは目を伏せて溜め息を吐く。自分は実験成功を残したからか残飯に毒物混入なんていうトラウマになりそうなことはなかったからだ。 一応何かを口にすることがトラウマにはなっている真琴はそんなオモチの頭から手を離し、近くに転がっていた木の棒を掴みガリガリと土の地面を掘り出す。 『何してんだ、嬢ちゃん』 瞼をあげて不思議そうに真琴の行動を見守るオモチの疑問に真琴は地面から視線を外さずに答える。 「習った魔方陣。復習しないと忘れちゃうし、いつまでも魔界にいられないでしょ。今描いてるのは基礎の転移の魔方陣にその使う人から人界の大陸のデータを読み取る機能を書き加えてるの。まぁ行ったことあるところにしか行けないけどね。多ければ多いほどランダムだし」 『何故そんな厄介なものを習った、嬢ちゃん』 思わず突っ込んできたオモチに真琴は顔をあげいい笑顔で、 「だって、トラップに使えるかなって思ってさ」 使い捨て機能を入れないかぎり、誰かの意思関係なくランダムで移動させられるので前に使った人物のところに確実にたどり着けるわけではない、と付け足してきた真琴にオモチは再び目を伏せる。 もう驚くことに疲れたのだ。 「大丈夫大丈夫、この転移魔方陣にはちゃんと使い捨てって書き込みから」 そんなオモチの心情を察しながらも、真琴はいい笑顔のままそう言った。
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