逃走

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辺り一面焼け野原が広がり、血の海が広がる光景。 地には無数の死体が転がり、辺りには鉄や火薬、血が入り交じった臭いがさらにその光景を惨たるものへと変える。 それはまさに地獄絵図。 そんな残酷な場所に、一人の少女が立っている。 鮮やかな金色の髪は腰あたりまで伸びていて、そのきれいな金髪は所々血で汚れている。 青い瞳に、整い過ぎている顔立ちもまた、同じように返り血で汚れている。 身につけているものは赤いマント、鉄の鎧。手に握るのは、未だ鮮血がついている立派な長剣。 美少女には似つかわしくない場所や格好である。 無表情でただ茫然と立ち尽くし、惨たる光景を見ながら物思いにふけっている。 「いつまでこんなことをするの?アタシは何をやっているの?」 まるでこの少女が、この光景を作り出したかのような発言。 そう。全部は彼女の仕業ではないが、悪魔の仕業にも例えられる惨事に大きく加担していた。
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