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 耳が隠れるほどの茶髪は人口的に染めたもので、よく見れば生え際はわずかに黒が出始めている。襟足だけ長くもあった。切れ長の瞳はやや茶色く、見るものに威圧的な印象を与えている。小鼻とふっくら丸みのある唇のせいか、全体的に線の細い顔立ちをして、体つきも華奢だった。  外見だけ見ればどこぞの不良のよう。それもそのはず、雅紀は去年まで、不良グループのリーダーだった。 「えー、勉強なんてやだよ。一人でやってればいいだろ?」 「つまんないんだって。どうせ予定ないんでしょ? 一緒にゲームしない?」 「ゲーム?」  予定がないと決め付けられて雅紀は一瞬むっとした顔を浮かべたが、ゲームという言葉に興味を示す。 「格闘系ある?」 「あるよ。雅紀が前にCM見て欲しがってたやつも、確か弟が買ってた。借りとくよ」 「マジっ? なら行く!」
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