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太陽のそれと同じメカニズムからなる動力は非想天則に無限に近いエネルギーを与えてくれる。
理論上、エネルギー切れによる活動停止はあり得ないのだが、それでも機体の損傷が酷ければ動けなくなることは容易に想像がついた。
何より、今はひとりしか乗っていないのだ。
パワーも段違いに落ちる。
元々、この非想天則という機動兵器は三人乗りのマシンだった。
三人のパイロットが乗り込むことで初めて真価を発揮するこの機体は、機能のうえでは所々を機械による自動操縦に任せることもできるが、結果として操縦するパイロットの反応についてこれず三人搭乗時よりも性能の低下を引き起こしてしまう。
機体の特徴として、ひとりづつのパイロットがコアマシンに乗り込み、それを合体させることによって非想天則へと変形することが挙げられる。
この合体の際のマシンの配列を組み換えることによって非想天則は三形態に変形することができた。
パイロットが三人なのはそれゆえである。
だが、残り二名のパイロットはこの場にはいない。
自分の仲間であるパイロット達。そのひとりである東風谷早苗は戦闘による傷が原因で記憶障害に陥ってしまい、今は非想天則の属する基地である河城研究所にて治療を受けている。
彼女の記憶は未だ、戻る気配はない。
そして自身の盟友とも言える最後のひとり、洩矢諏訪子は早苗の記憶が失われた戦闘での事態を重く見て、研究所にて開発中だった新型非想天則の起動作業に従事していた。
今の非想天則では、大軍と戦うだけの力はないからだ。
そんな時、敵勢力である博麗神社がついに河城研究所ある妖怪の山に全軍を挙げて侵攻して来た。
博麗神社は幻想郷と呼ばれるこの地において唯一無二の神社であった。
だが、妖怪の山の山頂に神奈子や諏訪子、早苗と共に守矢神社が移転して来たことで状況が変わった。
博麗神社に行っていた信仰心が守矢神社に集まるようになったのだ。
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