しつけ(1)

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適当に大輝をあしらって席を立つ。こいつは本当に相手をしてたらキリがない。 教室を出ると、長い黒髪をポニーテールに結んだ少し童顔の女子が声をかけてきた。 「モトくん、大輝くん!部活行こっ!」 目が線になるくらいくしゃっと笑う、これが真希。 「ま、ままっ真希ちゃん!行こう!今すぐに行こう!!ほら、モト、ちんたらしてんじゃないよ!」 真希を見つけると、後ろにいたはずの大輝が瞬時に2mほど先に移動していた。 …分かりやすい。 「あはは、大輝くん相変わらずおもしろいね」 真希…少しくらいは気づいてやってくれ。 お馴染みのやりとりをして、3人でグラウンドを目指して階下に向かう。 ここまでか2年間続いてきた、そして引退まで変わらないと思っていた放課後のやりとり。
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