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小さな子供が走ってきた。
と言うよりも、あれは引きずられていると言うべきか?
あまり見ることのできない映像を目の当たりにして、俺は呆然としてしまった。
春山第一高校 soccer clubと背中に刺繍されている部活のジャージを着て、帰路についていた日曜の午後のことだった。
クリーム色の毛をなびかせ、垂れた耳を上下にパタパタさせこちらに駆けてくる大きな犬は、その体に繋がれた子供のことはちっとも考えてないみたいだ。
なんであんな小さな子供一人で散歩?
「うわっ」
呆然としていたら、タックルをくらわされ、地面に倒される。
スピードをそのままに俺の1m前あたりで軽やかなジャンプをし、全体重をかけてのしかかってきたのだ。
「はあっ、はぁっ!ごっ、ごめ、なさい!」
息を切らしながら謝る声が頭上から聞こえる。
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