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「モトーーー!新入生見に行くぞーーー!!」
教室のドアをバァンと勢いよく開けて現れたのは、1年からクラスも部活も一緒の大輝だ。暑苦しい。
春山第一は2年から3年にあがる際に、クラス替えはしない。
面倒くさくないかもしれないけど、新鮮味には欠ける。そして何より大輝と3年間一緒なのは、普通に嫌だ。
「ほらっモト!行くぞ!可愛い子いるかなー、楽しみだなー!!」
「俺は興味ないんだけど」
「色白でぇー、髪はサラサラロングでぇー、目はぱっちりうるうるでぇー、そんでもって大人しくて清楚な子いないかなー!」
「例えいたとしても、お前じゃ無理だろ」
「うるさいっ!モテモテチャラ男は黙ってろよ!ちくしょーっ、真希ちゃんにチクってやる!」
「どうぞ」
別に俺が見に行こうって言ったわけでも、乗り気なわけでもなく、ただ大輝が引っ張って来ただけでやましいことは何一つないし。
ていうか、真希は彼女でも何でもないし。
大輝がただ真希を好きなだけで、俺のことを口実に話したいだけだろ?
「真希のタイプは、落ち着いてる人だってさ?あと一途な硬派」
「え゛っ!!?」
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