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高校3年の春――
桜の木の前に立って、色々なことを振り返っていた。
…3年前、父と母は事件に巻き込まれて亡くなった。
あの日はたくさん泣いた。
日本が溺れるくらい。
何回も、戻ってきて、ってお願いした。
だけど、戻っては来なかった。
一人にしないで、ってお願いした。
だけど、一人になっちゃった。
あの日から、神様なんていない、ってずっと思ってた。
だから、運命なんかも
信じなかった。
だけど、彼が現れたから
私は変わった。
ううん、彼が私を変えてくれたんだと思う。
高校3年間、すごく楽しめた。
そう、甘くて夢のような時間だったから――。
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