3人が本棚に入れています
本棚に追加
諭の切り返した言葉は耳に入っていない様子で、芽衣子はにんまりと笑っている。
先程の芽衣子のように、今度は諭が口をぽかんと開けていた。
「芽衣子さん、どうし――」
諭が言い終えるより先に、芽衣子は諭に抱きついていた。
突然のことに面食らった諭の鼓動は、早くなった。
このまま心臓が爆発するんじゃないか、とか、
芽衣子さん良い香りがする、とか、
自分も抱きしめていいのか、嫌われやしないか、とか、
諭の頭の中では色々な気持ちが渦巻き、交錯していた。
最初のコメントを投稿しよう!