特別な言葉

8/10
前へ
/10ページ
次へ
諭が葛藤している内に、芽衣子ははっとしたように手を解き、少し距離を置いた。 小さく「ごめん」と呟いて、また頬を赤らめた。 2人はまた歩き出し、家に向かっていたが、言葉はなかった。 沈黙に耐えかねた諭が、口を開く。 「芽衣子さん、俺のこと何て呼んでくれるの?」 無表情だった芽衣子の顔が、またにんまりと綻んだ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加