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「人生に答えはありますか?」
私は、教壇の前で熱弁を振るっていた
高橋先生に尋ねた。
10分ほど前から、数学には絶対に答えがある、と言っていた。
私のその質問に教室の中が静まり返った。
「先生、答えてください。」
もう一度、私は先生の目を見ていった。
「それは…、私の教えれることではない…。」
そう言って先生は口を閉ざす。
結局は、先生だってそんなこと言ったって、わかんないんだ。
答えなんてどこにもない。
そう、私は答えのない毎日をただ過ごしてゆく…。
こんな毎日がこの先で変わるのかな?
――わからない…。
今日も私は答えの見えない時間を過ごした…。
私―― 宮崎 灯(みやざき あかり)
今年の春から高校1年生。
中学時代に、いじめにあい不登校になっていた。
だが、自分の志望校に合格して、心を改めて高校生活を送っていた……
はずだった。
入学して2か月が経った頃。
クラスにも友達もでき、楽しい生活を送っていた。
でも、そんな時、学校の裏サイトの掲示板に
私の中学時代のことが書き込みされていた。
噂はすぐにクラス内に広まった。
そう、当時のいじめの原因は、私が援助交際をしていたという
根も葉もない噂が広まったから。
どんなに、違うといっても信じてもらえなかった。
そして、私は不登校になった。
そんな話は、一気に広まり、私は避けられるようになった。
こんなはずじゃなかった…。
もっと、楽しい高校生活のはず…。
それから一か月の間、友達はいなくなり、休み時間も
1人で教室の隅の机で本を読んでいた。
――そう、人生に答えなんて存在しないんだ
この時までは、そう思っていた。
でも、あなたと出会ってからは変わったんだ。
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