開園

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「当園の霊長類はヒトの言葉を話しません。 人間の言葉や現代の文明の生活水準を取り除いた上で、ヒト本来の生き物としての本質を探ろうと言うのがこの霊長類館の理念なのです」 「えーなんか想像してたのと違うー」 ブーイングの嵐だ 攻撃的なのは初めに見た山の原人くらいで、 園内で生まれ育ったヒトはみんなどれもやる気が無く、ただのほほんと生きている。 必要最低限の食事をかじり、あとはダラダラ過ごす。 そんな感じだった 丁度、人間を水の入って無い巨大な水槽で飼うとこんな感じになるのかな? 人間は知恵の生き物、群れるとどんな知恵を生み出し脱走するか分からない。 とても危険なため 一人一個 別々の部屋に入れられていた。 「どうだった?」 「うーん何か期待してたのと違った…」 「奥に行けば年齢別のコーナーが設置されているよ。見所は推定年齢70歳のヒトだよ!」 「見たく無い。そんなのまったく知恵もやる気も無い、食べて寝るだけのおじいちゃんじゃんか。」 「パパは推定年齢20歳のコーナーに行ってくる。某グラビアアイドルそっくりの顔のメスがいるらしいんだ!」 「うわー最低や」   : 「どうだった?」 「服着てた…」
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