留守電

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折り返しの電話をすぐにしたら10回目の音で電話に出た。 長い… 「ありがとう。」 「なぜお礼?」 「お久しぶり。」 「おう。」 私はいつも聞く側でいつもの調子だが彼は違った。 いつもならもっと明るくお調子者と言われるぐらいうるさい。 「何の用?」 「う~ん、お前にしか頼めない事なんだ。」 彼はいかにも泣きそうである。 「情で訴える作戦か…」 「いやっちがっ…お前来週の土日空いてるか?」 「せっかくの休みだが生憎用は無いよ…」 「助かった…」 「はい?」 「泊まりでツアーがあるんだけど…」 「男とか…」 「すまん…」 「良いよ。」 「内容は聞かなくても良いのか?」 「直接会おうよ、家近くだし。」 「ありがとう。どこに待ち合わせようか?」 「私は少し休みたいからファミレスで良いかな?男と2人だと気持ち悪いかもしれないけど…」 「俺はどこでも良いよ。今向かう!!」 「いつも通りのお前だな。」 ツーツーツー 彼は最後の言葉を聞かずに電話を切ったみたいである。 「仕方がない。」 ファミレスといえばドリンクバーのあるお店に間違いない。 幼なじみである彼とは昔に何度も利用していた。 ドリンクは通常のお客様が頼む量の倍は飲んでいたし長時間無駄話もしていた。 お店側としたら迷惑な客である。
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