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「それで?」
「…私はただ事実を述べただけであって質問される謂れはない。」
何が『それで?』なのか。
私は若干苛立ちながらもそれを顔に出さず淡々と答えた。
「そうですか?」
「………」
何でもかんでも疑問形にすればいいというものではない。
今度はだんまりを決め込む。無言の肯定とでも受け取っておけ。
「うーん…困りました。」
白々しいそのセリフに苛立ちながらも、やはり淡々と話す。
「困ったのはこちらの方だ。」
「どうしてですか?」
「先程から私は平和主義だと言っているのにも関わらず、貴殿が私を解放しないからだろう。」
「…意味が分からないです。あなたはいたって自由じゃないですか。」
「なら一先ず、その視線と武器を私から退けてもらおうか。」
「いやです。だって退けたらあなた逃げちゃうでしょう?」
何を当たり前のことを。
そう、今私は目の前の男…少年か?の視線と銃口を一身に受けている。
しかし隙がないな。
手に持っているのは…水平二連散弾銃か。
確かこの型はデュアル…デュアルバレルショットガンとかいうものだったはず。
威力は非常に高いが装弾数の少なさと、余程の至近距離で撃たないと弾がばらけ過ぎるのが欠点。
こいつの能力は爆炎、疾風…迅雷あたりか?
銃を好んで扱う能力者は大体がこの3つだ。
まあ、火器を扱う時点で水氷の可能性はかなり低いだろう。
頭の中で敵の実力を計る。
私と同じくらいかそれ以上の能力者だな。
しかし弾は2発…ギリギリいけるか?
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