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「どんな?」
「カゴメってあるでしょ?あれをね?夜明けの晩にやるの!すると向こうの世界からお迎えがくるんだって!」
「へ~そう」
ケイは全く興味を持っていない。怖いのが苦手とかではなく、ほんとに興味がないのだ。
「もう冷たいなぁ。ねぇ?今度やってみない?」
「今度も何も…夜明けの晩っていつよ?」
「…え~っといつだろ?」
考えても答えが出てくるはずもない。夜明けの晩など存在しないのだ。
「ほ~ら。そういう俗説は私信じてないの!」
「もう…ケイはほんとに冷たいんだから」
ケイは呆れた顔で授業に戻った。
(全く…それに私はカゴメの歌は好きなの。カゴメの歌は…)
彼女は少し頭にきていた。カゴメの歌を馬鹿にされた感じがして、どうしてもいい気分にはなれなかった。
(カゴメか~…)
彼女は思い出すように口ずさむ。
「か~ごめ、か~ご~め~。か~ごのな~かのと~り~は~。い~つ~い~つ~…」
「あら?懐かしいわね」
歌に割り込んで綺麗な声が響く。
「あなた誰?」
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