4人が本棚に入れています
本棚に追加
(嫌…駄目…)
みんな歌い始める。
か~ご~め
か~ご~め~
か~ごのな~かのと~り~は~
い~つ~い~つ~で~や~う
よ~あ~け~の
ば~ん~に~
つ~るとか~めが
す~べ~った~
後ろの正面
だ~あ~れ~
ケイは目をあける。何も起こらなかった。
「な~んだ!何にも起きないじゃん!」
1人の友人が切り出した。
「やっぱ噂だよね~」
みんなどっちらけという感じで各々ぼやき始める。
ケイ自身も何も起きなかったことに少しホッとしていた。
ゆいも、つまんないという顔をして、自分の布団に戻っていった。
時刻は0時を過ぎている。みなそれぞれ布団に戻り、また違う話に花を咲かせていた。
合宿最終日。ケイは帰路につき、昨夜のことを思い出していた。
(何もなくてよかったけど、結局あの女の人が言ったことはなんだったんだろう)
家に着いた後もケイは女の人の言葉を思い出しながら勉強していた。
いつの間にか時刻は3時。
(お母さん…思い出の歌をごめんね)
ケイは自分の母親との大事な思い出の曲をネタに使われたことを後悔して、母を想いながら口ずさむ。
か~ご~め
か~ご~め~
か~ごのな~かのと~り~は~
(あれ?でもなんかおかしい…条件は合ってたのになんでなにも?)
外はもうすぐ夜明け。
(今の外も夜明けの晩に見える…月も見える…あっ!)
ケイは外にあの女の人がいるのを見た。
(歌っちゃだめ!今はだめ!)
だが意志とは逆に歌い続ける。
いつもか~つもおなきやる
よ~か~のば~ん~に~
(あれ?歌詞が…違う?)
つ~るとか~めが
す~べ~った~
(嫌…嫌…)
「だから気をつけなさいと言ったのよ」
後ろのしょ~めん
だ~あ~れ~
最初のコメントを投稿しよう!