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ピピピピ… けたたましい音と、寒気で目が覚めた。 「…うう…さむっ…」 机にはノートパソコンが開いたまま、飲みかけの珈琲は冷たくなっていた。 「……寝ちゃったんだ。私。」 すっかり、独り言が上手くなった33歳。 パソコンの電源を入れ、ブログを覗く。 「…わっ、観覧増えてる~」 昨夜、小説を更新したままで覗いてると嬉しい出来事が。 少し鼻歌まじりで手元にあったブランケットを羽織ると時計を見た。 時刻は五時半を回ったとこ。 よっこいしょなんて板についた台詞を吐き、立ち上がった。 キッチンに立つとやかんに水を入れ、コンロに火をつけた。 その間に、夕べの洗濯をする。 洗剤を入れ、洗濯機が回った頃には湯が湧いていた。 慣れた手付きで、お気に入りのブレンドの珈琲を温めたカップに用意した。 ゆっくりゆっくり、お湯を注げばあたり一面香ばしい匂いにつつまれた。 これが、いつもの朝の始まり。 .
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