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ガタガタッ… 物思いにふけっていた時だった。 今は、会社で残業していた現実に大きな音で引き戻された。 見ると、そこにはトイレに行ってたはずの神谷が、携帯を手に入り口に立っていた。 慌てているのか、息を切らし足元には、ゴミ箱がぶつかって転がっていた。 「…高橋さん……」 「……どうした?神谷。」 大きな目を見開いたまま、神谷がゆっくりと俺を見てきた。 緊迫な空気に、一緒に休憩していた鏑木も驚きながらも、神谷の言葉を待っていた。 「……何だよ。 失敗か?失敗なら、残業が延びるじゃねぇか?」 余計なことを考えていたみたいで、鏑木がブツブツ呟いていた。 「…眞依美さんが……産気づいたって……」 .
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