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「……確か、ここだよな…」
神谷からのメールで確認すると、病院は目の前にある建物で合っているようだ。
近くの花屋で買った、小さな花束を片手に持ち病院を見上げた。
何で、俺はここに居るんだろうな…
まぁ、神谷の上司で独身で動きやすい俺が、見舞いに行くのが妥当なんだが。
総合病院で大きな建物だが、神谷がご丁寧に階と病室まで教えてくれていた。
産婦人科の階は、二階にあるみたいで迷わなくて済みそうだ。
「高橋さん。」
病院の前で、神谷に着いたとメールを打っておいてよかった。
科が科だけに、少し入りづらく感じていたから、神谷の顔が見えてホッとした。
病室内の地図を見て、産婦人科の病棟に入るとパーカーにジーンズという普段着の神谷が出迎えてくれた。
「わざわざ、ありがとうございます。
産婦人科って、母子同室で旦那以外病室には入れないんですよ。」
再度、連絡しておいてよかったと思った。
「えっ。じゃ、眞依美さんや赤ん坊には会えないのか?」
「大丈夫ですよ。
高橋さんが来るって、事前にわかっていたから赤ちゃんは新生児室で見れます。
それに…」
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