一章

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驚いていた俺をあざ笑うように、俺のシャツのボタンを朱雀は留め始めていた。 「何を驚いているんだ?」 「べ、別に?」 「やはりお前も女だな…。」 「…っ!」 いつもの作り笑いではなく、本当にクスクス笑う朱雀を見て、一瞬でもドキッとしてしまった。 「はぁ、」 溜め息をつくと、朱雀はまた俺の股に頭を乗せた。 「一時間だけ、こうして…ろ…。」 「サボれってことか?」 「……スゥ……スゥ…、」 寝ちゃったよ…、 「あんたは、一体何なんだ…、」 「ぉい、お前まで寝てどうする。」 「ん…っ」 ぁれ? なんで俺が膝枕されてんの? まぁいいや、 「ぁと5分…、」 「こら、もうお昼休みだ。」 「お昼休み…?」 「そうだ。」 「えっ!?」 まじだ……、 時計の針は12時過ぎをさしていた。 「悪いっ!…寝ちまった……、」 「いいさ…、まぁ、授業を私もサボってしまったがな……、」 「マジごめん、」 「だからいいと言っている。」 .
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