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私はそれ以上、何も言えなくなってしまう。
幸いにも私は、ごく身近な人の死をまだ経験したことがない。
智樹の気持ちを想像することは出来ても、実感することは出来ない。
だから何も言えずにいたのだ――。
私が無言のままでいると、智樹は重くなってしまった空気を察して明るく言う。
「すいません、こんな話を……。店長さんには、つい気を許して話してしまいました」
「とんでもない! 謝らないで下さい。私なんかに大事なことを話してくれて嬉しいです」
「そう言ってもらえてホッとしました」
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