15095人が本棚に入れています
本棚に追加
/1041ページ
「その女性のことも好きだったんですよね?」
「そうですね……。だけど自分でも、よくわからなかったです。向こうから告白してくれて、何となく付き合ってしまって」
「……」
「自分の中で“いい加減、他の人を好きにならなくちゃ”みたいな強迫観念もあったし……。付き合ってみたら好きになれるかもしれない、なんて考えて」
「別れたのは、やっぱり好きになれなかったから?」
「振られたのは僕の方です。僕が亡くなった彼女を忘れられないことに気付いて、別の男性を選びました」
「そうですか……」
「僕が悪いんですよ。どうしても彼女のことが忘れられないから。その気持ちは隠しているつもりでも、気づかれてしまうんです」
最初のコメントを投稿しよう!