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「申し訳ございません、鬼山様。お会い出来る、出来ないも相手とのご縁です。ご縁のある方がきっと現れる筈です。ゆっくり待っていただけませんか?」
こんな説明で納得する訳がないと思いつつ、まずはそう切り返してみた。
「待ってるだけじゃ、無駄金じゃないですか! 30万ですよ、30万!」
鬼山の怒声は受話器越しにガンガン響いた。
私は慌てて次の説得手段に出る。
「申し訳ありません。でも鬼山様のような条件の良い方が会えないなんて不思議です。年収だって学歴だって申し分ないのに……」
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