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私が見た限り、百合絵の表情はごく普通で、失望の色は見えなかった。
もっともお見合いの場で本人を目の前にしたら、表面は愛想良く取り繕うだろう。
内心ではどんなにガッカリしていても――。
「私、ちょっと聞いてきちゃいます」
ハルミが言い、私は「えっ?」と驚く。
ハルミはブースの影から二人の会話を盗み聞きするつもりなのだ。
「ハルミさん、ダメよ。そんなの」
「店長! 会話の欠点を把握してあげるのも、私たちの仕事だと思いますよ」
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