ゴネる男たち

22/39
前へ
/1041ページ
次へ
そこで細見はいったん言葉が止まり、言いにくそうにモジモジしている。 「でも……」の先を聞いてあげたい気もしたが、そうすると話は延々と長引きそう。 「細見様、本当にごめんなさいね。百合絵さんのことは、どうか諦めてください」 「どうすれば、諦められますか?」 「え?」 「どうすれば、忘れられるんでしょうか?」 「……」 細見は思い詰めた眼差しを私に向ける。 彼の表情は必死だった。
/1041ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15096人が本棚に入れています
本棚に追加