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洋子の声は落ち着いている。
少なくとも文句を言うつもりなはいようだ。
「いえ関田さん、とんでもない! ご無沙汰していて申し訳ありません」
「退会の手続きをお願いしたいんですけど、電話でも済みますか?」
「退会……ですか?」
私の気持ちは一気に沈んだ。
洋子の声に怒りは無いものの、ハート・マリッジに見切りを付けたに違いない。
自分の力不足を痛感すると同時に、“再度の説得”という重圧がのしかかる。
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