彼の色と私の色

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「…あのさ、色で例えてくれたトコロありがたいんだけど、それなら黒でいい。」 「あのな?要するに、今はまだ自分のきれいな色ってのをお前はまだしらないんだよ。 見たところ黒と同じような色だけど水で薄めていくと原色の青とはまた違う鮮やかな青になる。いつか、お前だけの青になるよ。」 ―私だけの青。― なんだか今日はえらくまともなことを言う彼を不思議に思ったが私は素直に聞いた。 彼の言う青が私に存在するのなら、それになるのはいつの日だろう? 来年?二十歳?ず~っと大人? 今もまだ分からない私には未来なんて全然分からない。 私はやっぱりまだ、好きでいるより、好きでいてほしいって思う子供のままで、それでも毎日、こうやって悩んで、くだらないこともやっぱり考えて結果がでなくても私は、また悩むんだ。 そんなコトを考えながら私は、あの教室に置いてあるのと同じ薄気味悪い植物に囲まれながら彼とキスをした。
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